突然の食欲不振。
先生がカルテにページを貼り足す様を、もう何度見たかわからない。
カルテの厚みがどんどん増していく。
これははなの病気の記録。
7月20日水曜日。食欲不振で緊急受診。
次の診察予定は24日だった。
もしくは私の次の仕事の休みは、22日。今日だった。
けれどうさぎさんの身体の不調は突然やってくる。
仕事の休みなど、待ってはいられない。
膿瘍がまた小さくなった。
時間はかかっているけれど、少しずつ回復に向かっている。
そんな状況に安堵感を持ち始めた矢先の出来事。
はなが突然ご飯を食べなくなった。
7月20日水曜日。
朝はいつも通り元気だった。
ご飯も勢いよく食べた。
いつも通りのはな。
私はいつも通り、会社へ出勤した。
ところがその日の夜、帰宅するとはなはご飯を食べなかった。
おかしい…。
確かにお皿を鼻でツンツンして、食事を催促したはずなのに。
はなはご飯を素通りし、テーブルの下で横になってしまった。
うっ滞は過去に2回経験している。
でもなんだろう…。
少し様子が違う気がする。
お腹を触っても張ってはいない。
そもそも痛いとケージからは出てこなくなるのに。
その日はなはあっさりケージから飛び出してきた。
テーブルの下にはいるものの、固く蹲っている訳ではない。
足を投げ出し横になる姿は、リラックスしているように見えなくもない。
しかしながら当然リラックスしているわけではない。
今のはなは牧草を食べない。
それでペレットまで食べないのは只事ではない。
2日ほど前から気になっていたことがある。
はなが時々ラグの上で少量のおしっこをするのだ。
トイレを完璧に守るはながそんな事をするのは珍しい。
と言うか、体調が悪い時しか粗相をしない。
そんな事を思案していると、また粗相。
はなのおしっこはこんな色だっただろうか。
少し白っぽいような気がする…。
カルシウム尿??
以前先生に、うさぎさんから摘出した石を触らせてもたった事がある。
小さな身体のうさぎさんから摘出したとは思えないような、とても大きな石だった。
あんなものがはなの身体の中にあるかも知れないと考えたらゾッとする。
痛みは物凄いことだろう。
先生には申し訳ないと思いつつ、緊急用の先生のケータイに電話をかけた。
検査。点滴。
電話で先生に事情を説明し、診察していただけることになった。
時間外にばかり電話して、ワタシはブラックリスト入りの患者なのではないかと思う…。
しかし一人暮らしで、仕事もある。
こればっかりはどうにもならない。
働かなくては、治療費だって払えない。
そこに関しては、割りきって先生に頭を下げるしかない。
ワタシがはなの為に出来ることなんて限られている。
先生におしっこの写真を見せて、最近の様子を説明した。
確かに、少し白く濁っているね。レントゲンを撮りましょう。
しかし石や砂がレントゲンに映ることはなかった。
今のところ膀胱に関しては綺麗な状態だという。
でも少しだけ胃にガスがあるね。画像を見る限りは食滞かな…。点滴をしましょう。
はなは現在換毛期の真っ只中。
尋常じゃない量の毛が抜けている。
ブラッシングをしているけど全然追いつかない。
最近うんちの様子は?繋がりうんちしてた?
毎日してます。昨日も…、10個以上繋がってるのがあって…。
それが原因の可能性もあるね。
食用増進剤、痛み止め、その夜飲ませられなかった抗菌剤。
必要な物を先生は全部点滴に混ぜてくれた。
ついでだから、膿瘍の処置もしてしまおうか。そうすれば24日は来なくて大丈夫だから。
先生は優しい。
はなに。動物に。
確固たる信念がなければ、こんなに自分の時間を動物に捧げられない。
いつもいつも、先生には頭が上がらないのである。
その後の経過。
帰宅後、はなは少しだけ食事をとった。水も飲んだ。
ほんの少しだけ。
日付が変わる。
ワタシは明日、仕事へ行かなければならない。
自分の食事は諦めて、シャワーを浴びて眠ることにした。
翌朝。
はなはケージから出てこなかった。
トイレにおしっこの跡はない。
とても小さなうんちを、少し出しただけ。
ワタシは仕事へ行かなかればならない。
ご飯を置いて、後ろ髪を引かれる思いで家を出た。
朝イチで上司に事情を説明し、今日は少しでも早く帰りたい旨を伝えた。
午前中は必死に仕事をこなし、だけど笑うのが難しかった。
はなが気になる…。
おしっこが出ないというのは結構危険な気がした。
人間も同じであるが、これが入院患者であったら末期である。
排尿は生き物にとってとても大切な仕組みなのだ。
お昼すぎに上司がワタシの横へやってきて、
午後は半休扱いにするから帰っていいと言ってくれた。
優しい気遣いにちょっと泣きそうになる。
普通ならうさぎが体調不良なので休みますなんてまかり通らない。
はながワタシにとっては大切な家族でも、
世間から見ればただのうさぎなのは十二分によくわかっている。
急いで帰宅すると、はなはおしっこをしていた。
ほっと一安心したのも束の間。
排泄が正常になれば元気を取り戻すと思っていたのにあてが外れた。
結局はなは、朝のご飯を食べてはいなかった。
排尿がなければスグに病院へ連れて行くつもりだった。
だけどしっかりと排尿済み。
しかしご飯は食べない。
これでは連れて行っても結局出来ることは昨日と同じだ。
点滴で食欲増進剤。
でも薬は内服薬を貰ってきている。
薬はペレットに混ぜているので、ペレットを食べていないということは朝の薬も飲めていない。
あまりやりたくなかったが仕方ない…。
シリンジに薬を溶かして、強制的に飲ませた。
今日も痛みで蹲るような様子はない。
だけど明らかに元気がない。
薬は飲ませたし、結局病院は見送ることにした。
もう少し様子を見る。
最悪の場合、明日は仕事が休みだから病院へ連れて行こう。
うっ滞の時、飼い主が出来ることは投薬とマッサージしかない。
ワタシははなを撫で続けた。
確かに少し血の巡りが悪いのかもしれない。
はなを温めるように、全身を撫で続けた。
ワタシはいつの間にか眠ってしまった。
前の晩に殆ど眠っていなかったせいだ。
起きると夜になっていた。
はなは相変わらず元気が無い。
ワタシは再びはなを撫でることにした。
今夜も自分の食事を諦めなければならない。
23時過ぎ。
はながやっと少しペレットを食べた。
0時頃、再びシリンジで薬を飲ませる。
そして日付が変わって3時過ぎ。
はながひょこひょこ歩きまわるようになった。
回復傾向かもしれない。
これでやっと、ワタシも眠れる…。
22日。
食欲不振から3日目の本日。
はなは未だ本調子ではない。
テーブルの下で寝てばかりいる。
時々ペレットも食べるけど、量は明らかに少ない。
おしっこもうんちもしているけれど、こちらも明らかに量が少ない。
全てが少しずつ、ゆっくりになっている。
様子を見る限り、そうではないのだけれど、どことなくかったるいのかも知れない。
目に力がない感じがする。
こうやって少しずつ、消耗していってしまうのだろうか。
以前友人に聞かされた話がずっと引っかかっている。
一人暮らしの老人が飼っている犬というのは長生きらしい。
老人がその子を拠り所にして生きていると、犬もそれを感じるのだそう。
そして寿命以上に頑張って、飼い主のために長生きするらしい。
友人がなぜ突然そんな話をワタシにしたのか。
それははながまるで老人と暮らす犬のようだと感じたからに他ならない。
大病を繰り返しながら、何度も持ち直してきたはな。
その度に必死になるワタシを、誰よりも近くで感じているのははな自身だと思う。
はなは疲れている。
それは目を見ればわかる。
それでもまた、元気になって欲しいと思う。
少し休んだら、また元気に走り回って欲しいと思う。
飼い主のエゴ丸出しで申し訳ないと思いつつ…。
やはりこれだけは譲れない。
今回のお会計。
時間外診療料 8000円
初診料 1200円
検査料 5000円(レントゲン)
注射・点滴料 4100円
処置料 2000円(針刺し)
投薬料 7700円
外税 2240円
合計 30,240円
別途車代 1648円
ワタシに出来ることは、お金を稼ぐことである。( ̄∀ ̄;)
?Twitter>>
こんな記事もあります♪